「元気と精の源“臍下丹田”の指圧法」仙骨神経叢アプローチ/ 上級治療テクニック #19 /PRO上級コース

◇指圧【基礎セミナー】次回は9月19日(木)に開催します。【東京都大田区の会場】

丹田とは、武道や気功の世界ではよく用いられる言葉で、気を納め溜めるところ、
身体の重心となり、あらゆる動作の要となるところですね。

東洋医学でも、
精神は丹田におさめられるといわれる重要な部位となります。

臍下丹田には、古典経絡では、
気の海と書く「気海」や、元気の関所である「関元」といったツボがあり、

また、
経絡指圧診断治療要図では、腎の腹証ゾーンとなり、

元気と精の源であることは、よく知られています。

丹田に、
弾力性のある張りがあれば、気力も充満して元気で健康な証となり、
力なく虚して凹んでいる感じであれば、身体は弱っており生命力は落ちている状態といえます。

過労や慢性睡眠不足、体調不良、体力低下、病気療養中などによって、
心身ともに弱っている時は、丹田への指圧療法が、元気を復活させる根本治療として効果的です。

治療では、臍下で下腹部の中心部となるところに、
深く安定持続圧(按法)を入れていきます。

拒按のような反応を起こさないよう、
緩圧法を用いて、徐々に深く圧を入れていくと治療反応が起こります。

腹部の触診では、
腎精の不足から腎虚の証であっても、
“見せかけの実証”ということもありますので、

丹田表面が硬く張っている感じであれば、
軽く気持ちの良い圧で、持続時間の短い按法を行ったり、揉捏で表層を緩めてあげると硬さが和らいできます。

腎虚で、力なく凹んだ丹田に深く按圧を入れていくと、
丹田の奥底に、硬くなったコリに触れることがあります。

わかりにくい場合は、
深く按圧を入れたまま、短いストロークで揉捏を行うと触知出来ます。

これが症状改善の根本的なツボとなる「虚のコリ」です。

この虚のコリに圧が浸透すると、
“効いてる感”のある圧痛や、腰部や下肢、胸部などによく響きが起こります。

焦らず十分に時間をかけて治療を行うと、
腎の臓精作用が活性化し、元気を取り戻してきます。

また、別の視点で診ていくと、
臍下丹田から、仙骨神経叢へのアプローチが行えます。

坐骨神経痛をはじめとして、股関節や膝関節の痛み、
下肢前面のシビレ感、足がつりやすい、力が入らないなどの、
さまざまな下肢症状の根っことなる部位です。

また、
婦人科系の不調など、骨盤内臓の症状をお持ちの方には、自然治癒力を高める有効な治療法となります。

臍下丹田への指圧療法は、
精神をあるべきところに納め、下っ腹に力が入り重心を安定させ、
自分本来のエネルギーを高めてくれます。

あらゆる症状の根本治療となり、
健康な人には、さらに絶好調の身体になる施術となります。

按腹療法の中でも、特に重視したい治療部位ですね。

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