天柱、風池、完骨への指圧療法についてです。
鼻症状には、内天柱(変動穴)。
目は、天柱と風池。
耳は、風池と完骨。
ざっくりとこのような経穴学となります。
風池は万能穴として、
頭顔面部の症状の全てに、また全身の調整に重要なツボとなります。
中医学的な証や臓腑の弱りで診ていくと、
鼻カタルは、肺の弱り。
蓄膿症や肥厚性鼻炎などは、痰湿の問題もあるため、脾の弱りもプラスされてきます。
目の症状は、脾胃で滞った湿熱邪が肝胆に転伝して起こる「肝胆湿熱証」が多く、
症状が進行したり、高齢になってくると、腎の弱りも出てきますので、
「肝腎陰虚証」となってきます。
耳症状は、経絡走行から小腸経や三焦経、胆経の病変が考えられ、
それらの経穴も有効となります。
耳鳴りやめまいなどの発症は、過労やストレスが原因となっていることが多く、
そのケースでは、肝の火が表裏の胆に転伝した「肝胆火旺証」と診て治療を行います。
耳症状でも、症状や年齢によって、腎の弱りがベースになってくると考えます。
また、
天柱は膀胱経の経穴ですから、このツボに硬結圧痛反応があれば、
表裏経である腎の弱り、
風池や完骨は、胆経なので、肝の弱りが根本にあると考えて、治療を組み立てると良いですね。
天柱、風池、完骨の3つのツボは、
頭顔面部の症状の治療には必須の治療穴となります。
硬結圧痛反応や響きを診て安定持続圧を行うと、症状改善効果が期待できます。
実際の指圧療法では、
筋硬結やツボに対して、変動穴もよく調べたうえで、
垂直方向に快圧を浸透させることが基本となりますが、
さらに治療効果を全身に波及させるには、
天柱、風池、完骨への按法(安定持続圧)によって、
頭の中に響きが起こり、全身が軽くなるような治療反応が得られるベクトルがあります。
そのためには、
後頭骨下縁の形状や筋肉の付着のしかた、
伏臥位の場合では、患者さんの首の角度(顎を引いてるか、前に出してるか)を確認し、
触察によって、この部位の浮腫みや皮下組織の状態を感じ取って、ベクトルを定めていきます。
虚のコリに対して、的確な入圧ポイントを定めるために、
拇指の当て方や軽い揉捏での調摩の技術も大切になってきます。
また、
術者は肘を伸ばして体重をかけていくのが難しい治療部位となりますので、
軽度に屈した肘の状態でも、拇指にしっかりと体重が乗ってくるような重心移動の訓練が必要です。
また、効かせようと力押しになって、
患者さんの顔をフェイス枕に押し付けるような圧となっては、
不快な刺激となり、響きはおこりません。
後頭骨下縁の筋硬結を緩めて、血流を改善する施術にプラスして、
健脳作用を高めて、精神や自律神経に働きかけるような指圧療法により、
現代人のかかえる様々な症状の改善にアプローチが行えます。
独特な響きが得られるベクトルに関しては、
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