半腱様筋・半膜様筋のトリガーポイントは、筋肉の起始部や筋腹、停止部付近と様々な部位に形成されることがあり、活性化すると主には殿溝部の痛みの原因となります。時には、大腿後部の内側からふくらはぎにまで痛みが広がることもあります。
坐骨から脛骨に付着する筋肉で、スポーツなどでは大きな力が働き、過度な刺激により筋肉は損傷を受けます。
また、デスクワークや車の運転など、座位の姿勢を長くとっていると、筋肉は座面に持続的な圧迫を受け続け、血流が阻害されることもトリガーポイント形成の原因となります。
大腿二頭筋と同様に半腱様筋・半膜様筋の筋緊張は慢性腰痛の原因となります。
ハムストリングの筋緊張によって骨盤後傾や腰椎前彎減少を引き起こし、さらに連動して猫背気味となり、頚部や上背部の筋緊張をもたらします。
肩上部や頚部の筋群にトリガーポイントが形成されれば、頭痛や眼、耳の症状などを引き起こすことがありますが、元をたどればハムストリングの筋緊張が原因となっていることもあるのです。
トリガーポイント講習会で行う、半腱・半膜様筋に対する指圧法は、伏臥位と側臥位で行います。
筋肉が大きいため、肘圧や手根圧迫によって捉えやすい筋肉です。
伏臥位になると、ハムストリングは大腿二頭筋の方が高く、半腱・半膜様筋の側は低くなっており(逆の場合もあり)、その斜面に対して垂直に圧を入れることがポイントとなります。
側臥位の場合では、下に位置している側の半腱・半膜様筋を施術しますが、内転筋群とは明確に分けて捉えることが大切です。
大腿後面と内側面の筋肉では、圧痛の感じ方が異なりますので、練習パートナーに確認しながら行うと良いと思います。
この部位は経絡では腎経の弱りがあらわれる部位です。
腎臓疾患や高血圧、下肢の浮腫みなどの症状のある方、
また、湿熱邪が下焦で滞っている症状にも良く効く部位です。
腎陰虚がベースとなる高齢者の様々な症状にも重要な治療ポイントとなります。
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