指圧法の間違った認識①【拇指の当て方編】/正しい指圧法を習得し、拇指を守り治療効果を高める!

指圧法
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「拇指を反らして、広い面(指腹)で押す」
「”強く押す”ときは、両拇指を重ねて押す(重ね拇指圧)」
「女性は指が細いから圧が鋭くて痛い」

などのことを、今までに何度も耳にしてきました。

これらのことは、全てとは言いませんが、指圧の実践においてはほぼ間違った認識です。

私の指圧手技では、
拇指腹を用いるのは、施術部位ごとのファーストタッチのときくらいなものです。

施術中は、極力患者さんの体からは手指を離さずに連続的に施術を続けていきますが、
それでも施術部位が変わるときは、患者さんは治療者の手指が見えませんので、無意識に身構えてしまい交感緊張が起こり、筋肉を緊張させてしまいます。

ですので、施術部位が変わったときのファーストタッチでは、
拇指腹の柔らかい部位を当て、軽めの圧から入っていき、2,3回目の入圧からは適圧となるように”拇指腹以外の部位”で指圧を行っていきます。

重ね拇指圧を行うときもありますが、
この技法は、1点圧となりやすく、患者さんは交感緊張が起こり、筋肉は緩みにくくなります。

そもそも、”強く押す”ことじたいが、指圧では邪道といえます。

ストレス社会の現代においては、患者さんにとって「痛くて気持ちの良い圧」が、
トリガーポイントを沈静化させ、また経絡反応(響き)が起こり、副交感神経を優位とさせる適圧となり、治病効果が期待できます。

両拇指を重ねて強く押すよりも、
深部まで圧が浸透するような手指の当て方で、施術者の体重移動によって指圧を行うことが理想的な指圧法です。

さらに言うと、
重ね拇指圧は、拇指を痛めやすい技法となりますので、ケースバイケースで用いることが大切です。

女性施術者の手指は、たしかに男性と比べれば物理的に細いわけですが、

その問題は、
手指の当て方によって、即座に解消できます。

ヒントを言えば、
経絡指圧での、「陰陽両手操法」や「2点弁別」の理論が実践できれば、
手指の細さは、タッチの良し悪しには全く関係ありません。

むしろ、
男性のゴツゴツした手指よりも、女性の柔らかく細い手指での指圧は、メリットの方に活かすことも出来るのです。

「拇指が痛くて施術が辛い」
「患者さんの体が硬く緊張してるのに、もっと強く押してと言われる」
「力で押すため、施術後の肉体的疲労が激しい」

などのことがある方は、
正しい体の使い方が出来てないかもしれません。

自分の手指や体を守り、
また、治療効果を生み出すためには、

手指の当て方や、体重のかけ方、最適なベクトルでの垂直圧などの、
指圧スキルを高めていくことが大切です。

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