指圧法の間違った認識②【体重のかけ方編】/丹田からの重心移動による支え圧とは

指圧法
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指圧とは、「力で押すのではなく、体重をかける!」というアドバイスはよく聞きます。

腕の力では強さに限界があり、
また、力で押したものは同じ力で反発してくるため、筋肉は緩みません。

「体重をかける」ということは、間違いではないのですが、正しく理解されていないように思います。

まず、
“体重をかけて押す”にも圧の強さには限界があります。

施術者の体重が、50㎏の人と100㎏の人では、物理的に重さが違うので、
体重の軽い人が、全体重をかけて指圧を行っても、「もっと強く押して」と言われてしまえば、それ以上のことは出来なくなります。

では、「手や腕だけでなく、体を全体的に使って押す」という意識ではどうでしょうか?

施術者の体の動きでは、床を蹴る力から体重移動が始まります。
たしかに、足腰の筋肉を使い体幹を安定させたフォームとなりますので、
下肢からの力が体幹を通り腕に伝わっていきます。

しかしこれでも、
床を蹴る力で押していることになってしまい、腕だけの力よりは不自然さは減りますが、
力で押しているため、患者さんの体も力に抵抗してきてしまいます。

言葉や文章で表現するのはとても難しいのですが、

無意識的な大脳辺縁系の働きによる体の動きでの指圧とは、
丹田からの重心移動によるもので、手指(肘)で患者さんにもたれかかるような動きとなります。

これを経絡指圧では、「支え圧」と表現されています。

例えば、
小さな子供に、背中の上を歩いてもらうと、とても気持ちが良いのは、
重さがちょうどよいからではなく、子供は無意識的な動きで歩くので力みがなく、うつ伏せになってる人もリラックスできてるため、圧が深部まで浸透していくからです。

もし、背中の上で”踏みつける力”で筋肉を押そうとすれば、
筋肉が反発するか、子供の筋力や重さでは、物足りない圧となってしまいます。

大脳辺縁系だとか、丹田だとか、難しい言葉を使ってしまいますが、
“歩く”とか、手や肘で壁に”寄りかかる”などの日常動作を、そのまま指圧に用いればよいだけです。

治療という意識が働いてしまうので、なかなか自然な動きになりませんが、
コツを掴んでしまえば難しいことではありません。⇒ いつも行っている動作ですから。

正しい体の使い方からの体重移動をマスターすれば、
自分の体への負担も減り、さらには治療効果を生み出す指圧法となります。

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