腰の痛みと可動域を改善する4つのツボとは/申脈・照海・足臨泣・太衝の経穴学/五行穴の活用(おまけ)

経絡治療
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腰部の痛みや運動制限を改善する効果の高い4つのツボを紹介していきます。

腰痛に対して、
経絡治療やトリガーポイント療法、その他の各種治療を行ったあと、

患者さんに、ベッドサイドに立ってもらい、
前後屈や左右の側屈、回旋のテストを行い、治療効果の確認をします。

この時に、
痛みが残存していたり、可動域制限がある場合には、

足部の4つの要穴の中から、
腰の動きに対応しているツボを選択して、治療を行うと効果的です。

経絡テストや八宗穴の治療理論を活用して、選穴していきます。

前屈痛 - 申脈

申脈は、膀胱経のツボです。

前屈動作では、
体幹部や下肢の後面を走行する、膀胱経の伸展制限が現れ、これらの部位の痛みやツッパリ感の改善に良く効きます。

八宗穴の一つでもある要穴として、前屈痛に対しては、ファーストチョイスとしていますが、
患者さんの体質や症状によっては、崑崙飛陽の方が治療反応が良いケースもありますので、圧痛反応を良く診て選穴してください。

立位での足部のツボへの指圧の場合、
アキレス腱やヒラメ筋の筋緊張が少し高まるため、崑崙と飛陽への指圧がやりにくい(効かせにくい)ことがあります。

それを考慮すると、
伏臥位か側臥位での治療時に、この2つのツボを十分に刺激して、

治療の仕上げの時の立位では、申脈への指圧が良いと思います。

申脈は、
奇経治療では、陽蹻脈の主治穴となり、督脈の主治穴の後谿と組み合わせて治療を行うと、
身体後面の症状には、とても有効ですので、活用してみてください。

後屈痛 ー 照海

照海は、腎経のツボです。

経絡の伸展制限で診た場合は、
腎経は、下肢では後面を、体幹部では前面を走行します。

このため、
立位での照海への治療は、前屈痛にも効果を発揮します。

“痛みやツッパリ感”ではなく、”重くダルい慢性症状“のケースでは、
申脈よりも、照海の方が治療効果が高いように思います。

これは、陰陽論の活用ですので、覚えておくと良いですね!

照海が、劇的に治療効果を発揮するのは、後屈痛の改善です!

下肢後面の経絡の陰経と、体幹の前面を走行する経絡の伸展制限が改善するからなのですが、

もう少し深く考察してみると、
腎経は、膀胱経の表裏経となるため、
背腰部の深い部位や、脊柱の骨際、または脊柱の前面(大腰筋!?)などの、
気の流れを改善するとも考えられるのではないでしょうか。

実際、照海への指圧により、脊柱の棘突起から外方5分あたりの筋硬結の圧痛は軽減することはよくあります。

このツボは、
特に中高年層より上の年代の方には、よく効きます!

年齢とともに、腰の後屈の可動域は狭くなってきます。
腰痛に限らず、腎の弱りが、あらゆる症状のベースとなってくるからです。

側屈痛&回旋痛 ー 足臨泣・太衝

経絡の伸展制限で診ていくと、

側屈と回旋は、身体の側面を走行する、肝経胆経の病変と診ていきます。

これも陰陽論を活用すると、

例えば、
立位で、体幹の右側屈や右回旋を行った時に、左側の腰部に痛みがある場合は、

より伸展されている側である、左側の肝経・胆経の伸展制限として診ていきます。
※厳密には、右側の経絡も伸展されています。

このケースでは、伸ばされているという、陽の性質の症状のため、
陽経である胆経の、左側の足臨泣への治療が効果的です。

また、
立位で、体幹の右側屈や右回旋を行った時に、右側の腰部に痛みがある場合は、
短縮しているように見える側である、右側の肝経・胆経の伸展制限として診ていきます。

右側の筋肉は短縮する部位が多いのですが、気の流れである経絡は、伸展しているという診方が出来ます。(ややこしいですね)

このケースでは、”縮んでいるように見える側の伸展制限”という、陰の性質の症状のため、
陰経である肝経の、右側の太衝への治療が効果的です。

経絡テストの理論をシンプルに活用するとすれば、

側屈や回旋した時に(左右のどちら側でも)、
症状が、
“痛みやツッパリ感”の場合は、足臨泣。
“重くダルい違和感”の場合は、太衝。

というように、選穴しても良いと思います。
※両側のツボの反応を比較して、圧痛の強い方が効果的です。

まとめ

経絡テストの理論では、
後屈痛は、脾経と胃経の伸展制限で診るのが基本となります。

照海への指圧をファーストチョイスするということで良いのですが、

腰部の後屈痛と併せて、
膝関節の前面の痛みや、飲食の不摂生による湿邪の停滞など、
脾経と胃経の弱りが考えられれば、
脾経の公孫や、胃経の陥谷内庭などへの治療が有効です。

また、
回旋の動きというのは、前後屈と側屈の合わさった動きとなりますので、
申脈・照海・太衝・足臨泣の4つのツボ、これを左右合わせた両側の8つのツボの中で、
一番の硬結圧痛反応があるツボを選穴するという治療法もあります。

その他、
「刺すように痛む」というキーワードが出たら、瘀血証が考えられるので、
行気活血に良く作用する「太衝・三陰交」が効果的です。

熱を持つような痛みがあれば、
各経絡(特に陽経)の五行穴の「榮穴」が、

痛みではなく、”重くダルい”という症状であれば、
各経絡(特に陽経)の五行穴の「兪穴」が治療効果を発揮します。

臥位での治療で、腰痛に関与する部位を十分に緩め、
治療の仕上げとして、
立位で、腰部の痛みや可動域制限を確認します。

残存する症状に対して、
経絡の伸展制限や経穴学、五行穴の理論を活用して、
患者さんの症状や体質に合わせたツボを選穴すると、治療効果は高まります。

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