頭半棘筋のトリガーポイントは、筋肉の上部と下部の2ヵ所に形成されて、
コメカミや側頭部、後頭部に関連痛を送ります。
この筋肉は、ストレスなどによる交感神経の緊張や精神疾患によっても、筋緊張が強くなりますので、
筋硬結を緩めることが出来れば、リラックス効果が高まります。
頭半棘筋のトリガーポイントの触察技術や響かす指圧法を習得されると、
患者さんの施術後のスッキリ感が大きく変わってきます!
第1トリガーポイント(上部TP)は、
後頭骨下縁あたりか、停止部付近(上項線と下項線の間)に形成されます。
関連痛は、
コメカミや側頭部、または頭部側面(耳の上あたり)を半円状に痛みが送られます。
安定持続圧を行うと、
目や耳、鼻、眉間などにも響くことがあり、関連痛パターンには個別反応が色々とあります。
この筋肉は、
上部胸椎から後頭骨にかけて付着していますが、
筋肉は、正中ラインの近くを走行しています。
深層部の筋肉となりますが、
拇指による軽い圧で、筋繊維に対して直交するように「横揉捏」を行うと、筋束を感じ取ることが出来ます。
この揉捏法により、
後頭骨にへばり付いているような筋硬結を触察出来れば、
それが第1トリガーポイントです!
拇指頭をトリガーポイントに当て、
硬結の丸みや、一番硬さを感じて圧痛が強く出る方向に、垂直に圧を入れると良く響きが起こります。
細かく触察を行うと、
筋硬結の中心と内側、外側では圧痛反応や、響く部位に違いがあります。
内側からの指圧には、眉間や鼻によく響き、
外側からは、目の奥に響くと言われる方が多いです。
このことは、
経絡治療的に考えていくと、見えてくるものがありますので、
また別の機会で、お伝えしたいと思います。
繰り返しになりますが、
強いストレスをお持ちの方には、必須の治療ポイントとなり、
この筋肉の血流障害が改善されれば、頭の中がスッキリ爽快になります!
第2トリガーポイント(下部TP)は、
C5,C6高位の下頚部に形成され、
関連痛は、後頭部に送られます。
後頭部痛は、僧帽筋第2トリガーポイントからの関連痛と区別が難しいですが、
後頭部に痛みを訴える方には、かなりの確率でこのトリガーポイントが形成されているように思います。
触察法としては、
やはり、正中ライン近くを縦に走行する筋束を感じ取り、
その下頚部に存在する筋硬結を見つけます。
伏臥位での指圧時は、
押圧によって、喉に圧迫不快感を与えないように気をつけて下さい。
拇指頭で筋硬結を捕えたら、頚椎の椎弓を受けにして、ベクトルを微調整しながら、
丁寧に圧を入れていくと、快圧となり後頭部に響き、
患者さん自身も、「自分の頭痛の原因はそこだ!」と感じられます。
伏臥位になった時に、
頚椎の前彎が増強してるタイプの方や、
後頚部の筋肉に張りがなく委縮しているような方に対しては、
側臥位で施術を行うと良いと思います。
後頚部の筋肉のトリガーポイント療法は、
頭板状筋や頚板状筋、頭半棘筋などとありますが、それぞれのTP形成部位と関連痛パターンを理解させると、
頭痛や目、鼻、耳症状の治療が得意となってきます。
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