胸鎖乳突筋は、胸骨と鎖骨から起始して、側頭骨の乳様突起と後頭骨にも付着しています。
この筋肉は、硬くなっても自覚症状があらわれにくいため、
また施術を行っても、”痛いけど気持ち良い”という感覚の筋肉ではないので、
治療では見落としがちな筋肉です。
この筋肉が硬くなっている人は、交感緊張が強いタイプで、強いストレスを抱えていることが
多いと思います。
スマホのやり過ぎなどで、下を向いている時間が長くなると、筋肉は短縮してトリガーポイントを形成してしまう原因にもなります。
胸骨頭にトリガーポイントが形成されると、頭痛や目の症状を引き起こします。
また、顎関節痛や顔面部の痛みなどにも関与します。
鎖骨頭にトリガーポイントが形成されると、耳鳴りや難聴などの耳症状を、
または、めまいやふらつきなどの平衡感覚の障害として、症状があらわれることもあります。
◇胸鎖乳突筋トリガーポイントの基礎知識はこちらです。
それだけではなく、この筋肉の長期間の慢性的なコリによって、全身の不調や不定愁訴の原因ともなってしまいます。
胸鎖乳突筋への指圧は、側臥位と仰臥位で行います。
側臥位では、乳様突起から胸骨と鎖骨へと斜め前方に付着している筋肉の走行を(起始・停止は逆ですが)しっかりとイメージすることが大切です。
そして、軽い揉捏を行って胸鎖乳突筋の筋束を確認します。(強い揉捏は不快感を与えてしまいます)
胸鎖乳突筋の感触は、丸みがあって弾力性があります。筋肉の中央部辺りを施術していて、針金のようなスジ張った感触に触れた時は、その筋肉は斜角筋の可能性が高いです。
その丸みと弾力性を確認しながら(診断即治療)、垂直に圧を入れていきます。
圧の方向が、喉や気管の方に向かわないように注意が必要です。
筋硬結が出来ている人は、(腎経や肺経、心包経が弱い人も)胸鎖乳突筋の指圧によって、むせてしまったり、息苦しさを感じてしまうケースもありますが、圧の深さを調整するか、筋肉を拇指で”やや後方”に引いてきて(移動させて)から、軽く圧を入れると指圧が施せます。
仰臥位では、拇指と示指で挟むように圧を入れていきます。示指の側面を当てられると良いのですが、
筋肉の硬さの強い人にはやりにくいので、拇指と示指でつまむような指圧法となります。
胸鎖乳突筋の前縁と後縁では、皮膚の遊び分や、隣接する筋肉も違うので、
拇指と示指の当て方をそれぞれ工夫して、筋肉の丸みに合わせて上手く挟んで、垂直圧を入れます。
触察に慣れてくると、胸骨頭と鎖骨頭をそれぞれ分けて指圧が出来るようになります。
胸鎖乳突筋の指圧法でとても重要なことは、前頚部の筋肉という意識を持って治療を行うことです。
前頚部の筋肉は、後頚部や側頚部とは、筋肉の性質(圧への耐性や閾値)が違いとても敏感な筋肉です。
交感緊張が強いタイプの人の胸鎖乳突筋は、筋肉が硬くて施術を行っても即効的には緩みにくいことが多く、
オーバードーゼになってしまうと、瞑眩反応が出ると言うよりも、症状を増悪させてしまうことがありますので、注意が必要です。
胸鎖乳突筋の筋緊張を緩めるためには、焦らずにじっくりと緩めていくという心構えが大切です。
◇胸鎖乳突筋の指圧法の追加はこちらです。
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