項部(後頭部・後頚部)の不快症状を改善するツボ「列缺」の経穴学とは

中医学
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「列缺」というツボは、手の太陰肺経の経穴で、絡穴でもあるため、
表裏経の大腸経との結びつきが強く、肺経・大腸経の両方が慢性的に不調な状態などでは、
治療穴として用いることがあります。

任脈の主治穴となりますので、
身体の前面正中ラインの症状にも有効といわれており、
胸骨部や前頚部のこわばり感や違和感などの治療に有効です。

また、
カゼの初期症状で、風寒邪が表層で悪さをしている時には(表証)、
合谷と組み合わせて治療を行うと、改善効果があります。

その他の症状で、
列缺が優れた治療効果を発揮するのは

項部(後頭部・後頚部)にあらわれる不快症状に対してです!

四総穴の一つである列缺は、
合谷や委中、足三里という、他の3つのツボと比べて、少し地味な印象がありますが、

「後頭部が痛い」、「首の後ろが気持ち悪い」、
「後頭部に何か貼りついている感じ」、「首の後ろが重くダルい」などと訴える症状には、

列缺の治療はとても効果的です。

四総穴の理論では、列缺は「項部の症状に効く」といわれています。

後頭部や後頚部の痛みでは、
太陽経(膀胱経・小腸経)や、腎・膀胱経の病変と診立てて治療をすると、
良くなることが多いですが、

首をギクッと痛めたわけではなく、通常の首肩コリとも少し違う、
頚部の可動域はいつもと変わらないのに重くダルい、
運動や体操をしてもスッキリしないなどの不快症状があり、

首肩まわりの筋肉をよく緩めても効果がない場合では、

列缺を丁寧に触察(診断按摩)すると、
激痛ポイントがあると思いますので、

患者さんが、力まず耐えられる程度の圧で、
縦揉捏や外回しの揉捏、安定持続圧などと、

刺激を変えながら、
両側に治療を行ってみてください!

即効性はないことが多いですが、
治療反応が起こり、時間差で効いてくると思います。

項部の症状に対しての、
選択肢の一つとして、活用してみてください。

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