先日アップした「肩井」についての記事が、多くの方が読んでくださっていたので、このツボの指圧療法について、もう少し掘り下げてみたいと思います。
参考記事>>>◇万能穴「肩井」からの経絡反応(響き)
肩井への安定持続圧により、経絡走行以外の部位にも個別的な響きが起こり、様々な症状を改善することは、実際の臨床ではよく見られることです。
「経絡治療」といっても、経絡走行(流注)だけを診るのではなく、
経穴学の知識をもって治療を行うことで、対応の幅が広がってきます。
まず、肩井の取穴ですが、
首肩コリや痛みをはじめとした、頭顔面部の全ての症状に必須の治療穴となる、肩井特有の経絡反応(響き)を起こすには、僧帽筋の丸みの頂点に形成されている筋硬結の中心部にツボを取ることが重要だと思います。
そのためには、
診断的摩法となる拇指揉捏を上手に行い、肩上部僧帽筋の丸みやツボの反応を示す筋硬結の感触を十分に触察して、肩井を取っていきます。
症状部位に響かすためには、
やはり按法(安定持続圧)が最適です。
患者さんの体をよく観察して、上部胸椎の後彎度合いや、なで肩の角度を診て、
ツボに垂直圧を入れていきます。
細かいテクニックはたくさんありますが、
弾力性のある筋硬結に逃げられないように、
また、僧帽筋の厚みや硬さに負けて、圧が外側に逃がされないように気をつけなければ効果は半減してしまいます。
実技練習では、垂直圧のベクトルや圧の強弱が適切か、パートナーによく聞いて、
また実践では、患者さんに、痛くて気持ちの良い「快圧」となっているか、頭部や目などに響く感じがあるかなどの、治療反応をよく聞きながら施術を行っていくと、指圧療法のスキルはどんどん上がっていきます。
少し上級テクニックとなりますが、
ツボは個別的に変動するという考えから、
「実のコリ」と「虚のコリ」をしっかりと見極めていくことが大切です。
患者さんの体に、
「もたれかかる」「寄りかかる」ような、
大脳辺縁系の働きとなる原始感覚での拇指圧(按法)を行い、
“教科書通り”の肩井ではなく、症状改善の根っことなる変動した肩井を感じ取り治療穴とします。
肩井は、
体格や体質、年齢、症状の陰陽によって変動するのです。
肩上部”ど真ん中”の肩井が一番効くこともありますし、
変動を「内・外・前・後」と現すと、
内肩井と前肩井は、治療でよく使います。
運動器系の症状では、真ん中や内肩井、後肩井に、
循環器系や呼吸器系(臓腑の心、肺)の不調、ストレスや精神疾患では、前肩井に、
硬結圧痛反応が現れることが多く見られます。
経絡治療での症状の陰陽が理解出来てくると、だいたいの傾向は見えてきますが、
決めつけないで、正しい指圧法によって「肩井」を感じ取ることが出来ると良いと思います。
僧帽筋や肩甲挙筋、斜角筋の特性や、
トリガーポイント理論や自律神経の作用などとあわせた診方が出来るようになると、
視野が広がり、どんどん治療が楽しくなってきます。
指圧療法は、勘(かん)のようなものに頼らず、
正しい努力、練習や実践を重ねていくことで、感覚を養っていくことが出来ます。
”ツボとは、そこにヒビキのあるところであり、これをヒビかせる技術をもってはじめてツボが存在するといえる”「スジとツボの健康法 増永静人著」より引用
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