筋肉の圧痛反応を改善させる骨盤調整/仙腸関節からの過緊張連鎖を知る

骨盤療法
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40代の女性ですが、首肩コリや腰痛の治療を行っていて、ツボでいえば肩井や腎兪に圧痛反応が現れている方がいます。

その圧痛反応は、拒按といえるくらいの痛みで、軽い圧でもかなり不快な痛みを現していました。

ご本人いわく「腫れ物に触れられている」ような痛みだそうです。

3回目の出産後から、調子が悪くなっているとのことですので、
仙腸関節の機能異常が疑われます。

肩井と腎兪の圧痛は、左側でしたので、
左側の仙腸関節に関節運動学的アプローチを行いました。

5つの基本手技があるのですが、
その中でも、後屈上方滑り法という手技を行うと、
腰部が軽く感じられ、呼吸が深くなると言われます。

※後屈上方滑り法とは、腸骨に対して仙骨を後屈させ(カウンターニューテーション)、そのまま上方(頭側)に滑らせる手技。

この手技をメインとして、
仙腸関節の関節包内運動を調整した後に、

肩井と腎兪の圧痛を確認してみると、硬さも和らいでおり、圧痛反応はほぼ無くなっていました。

仙腸関節の機能異常の現れ方として、
過緊張連鎖というものがあります。

同側の脊柱の関節や四肢の各関節、反対側の仙腸関節に過緊張が連鎖して起こり、
その関節に機能異常や痛みなどが現れます。

過緊張は関節だけでなく、その関節を構成する筋肉にも影響を与えますので、
首肩コリや腰痛としての症状が現れてきます。

今回の患者さんの例は、治療反応が良すぎる例ですが、
仙腸関節の調整を行った後に、筋肉の圧痛が軽減するケースは頻繫に見られます。

経絡治療やトリガーポイント療法では反応が良くないのに、
骨盤調整を行うことで、治療反応(気がめぐる・トリガーポイント沈静化)が起こるタイプの方がいるのです。

このような治療反応があることを、知識として持っておくと、症状改善へのアプローチ法が増えます。

骨盤調整の効果は全身に波及しますので、手技療法家は習得しておきたいスキルですね。

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