経絡は分肉の間を走行するといわれ、
簡単に言うと、経絡は筋肉の盛り上がっているところは走行しないで、筋肉のキワや筋と筋の間のような部位を流れていくというイメージでしょうか。
経絡図は、平面的に見るとキレイに経絡走行が描かれていますが、
病的な状態になった時は、
経絡というのは、変動して走行しますので、
治療者が、変動したツボや経絡を切経によって感じ取っていくことが大切です。
切経のスキルとして重要なのは、
「経絡を探ろう」という意識的な手つきではなく、
大脳辺縁系の働きによる本能的な動きで、手指の力を抜き、相手にもたれかかるような感じで圧をかけていくことです。
これは、
「支え圧」とか「もたれ圧」といわれていて、この自然体の動きによる重心移動からの垂直圧を行うことで、
経絡の響きという治療反応を起こすことが出来ます。
病変した経絡やツボに対して行う指圧療法は、
はじめから、筋肉のキワや筋と筋の間に切経を行い、圧痛や響きの反応を診ていくこともありますが、
筋の盛り上がっている部位(筋腹)への切経もとても重要です。
感覚やイメージでの話しとなりますが、
筋腹にもたれかかるように圧を入れていくと、
細い溝のようなラインを感じ取ることが出来ます。
この溝は経絡だと思われ、垂直圧が浸透すると、
虚のコリといえる不快な圧痛を検出することがあります。
「経絡は分肉の間を走行す」とは、
筋腹の中にも、スジとスジの間のようなラインが存在し、そこにも経絡が走行しているように思います。
この筋腹中の溝は、
意識的な力押しになってしまっては、患者さんの硬い筋肉が反発して、触知することは出来ません。
“ツボにハマっていく”ような入圧によって、
深層部の虚のコリに圧が到達します。
僧帽筋や脊柱起立筋、殿筋群、前脛骨筋など、
筋肉に厚みがあり張りの強い部位でも、
もたれ圧による切経によって、病変経絡や響きを起こすツボに、手指がハマっていきます。
治療者はうまく力を抜いて手指を当て、筋腹中に存在する、”分肉の間”を感じ取って治療を行なってみて下さい。
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