取穴の個別反応「”生体”に対してツボを響かす肢位と体位」/ 上級治療テクニック #30 / PRO上級コース

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ツボを取るという取穴ですが、経穴の本を見ると、
「〇〇から何寸」のように、ツボを見つけるための指標が説明されています。

この指標を用いて、取穴を行なっていくのですが、
図では、ツボや経絡は平面的に描かれているので、実際の患者さんへの取穴は思うようにいかないこともあります。

人体は立体的ですし、骨格や肉づきなども様々ですので、
患者さんがリラックスできる体位や肢位で取穴を行うことで、ツボからの反応を得ることができます。

診断即治療が指圧の原則となりますので、
正しい取穴がそのままツボを響かす治療となります。

例えば、
大腸経の曲池を取穴するときに、
仰臥位の解剖学的正位から、前腕をやや回内させて取穴をしますが、

回内の度合いや肘関節の角度によって、
硬結圧痛反応が変わってしまいます。

また、
殿筋群への取穴では、
伏臥位だと筋緊張を起こしてしまう方がいて、硬結がわかりにくくなり、圧痛反応も得られないことや、

委中などの膝裏のツボでは、
膝関節伸展位や屈曲角度が大きくなり過ぎると、上手く取穴出来ません。

様々なケースで、
筋肉が硬く緊張して「ツボが閉じてしまう」感じとなり、反応が得られないことがあります。

正確に取穴と指圧療法を行うためには、
患者さんの体質や症状によって、
取穴の時の肢位や体位を、リラックス出来るベストポジションにすることが大切です。

治療者が取穴しやすいように、患者さんを動かすのではなく、
患者さんにとって、治療効果が高まる体勢にセットしてあげることが大切です。

治療目的によっては、
あえて、筋肉や経絡を伸展させた状態で取穴を行なったり、
筋収縮をさせた状態で取穴を行うケースもあります。

ツボを開かせ、響きの反応を得るためには、
筋肉の伸長や短縮、弛緩、

ツボ周囲の関節のポジションなどを、
患者さんの症状にとって、最適な肢位や体位で取穴や指圧療法を行うことで、
治療効果を高めることが出来ます。

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