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指圧や按摩などの手技療法の言葉で、拒按と喜按というのがあります。 按とは按圧のことで、 コリに対して垂直に安定持続圧を行う手技のことです。
簡単にいえば、 拒按は、按圧を嫌がること。 喜按は、按圧を気持ちよいと思うこと。 となります。
理論的なことは、色々な書物に出ていますので、実践的なことを書いてみたいと思います。 炎症によって熱感や腫れなどがあり、 軽く触れただけでも強い痛みがあるような部位は、もちろん拒按となりますね。 このケースはわかりやすいと思います。
治療院での臨床では、拒按は少ないのですが、
「そこを圧されると気持ち悪くなるからやめてほしい!」 「そこを圧されると、腰が抜けそうになる!」 こういう反応があれば、 拒按と診て、按圧は避けたほうがよいですね。
実際は、圧の匙加減で調整したり、 そのコリに手を軽く当てて、陰陽両手操法によって、虚実を補瀉する手技を行えば、 按圧が行えるようになることもありますが、 患者さんが一度拒む反応を起こしてしまうと、そう上手くはいかなくなります。
面白いのが、少しのニュアンスの違いで、 「そこを圧されると気持ち悪い感じだけど、自分の症状が治るような気がする!」 「イタ気持ち良いじゃなくて、イタ気持ち悪い!」 こういう反応の場合は、 拒按ではなく喜按と診て、積極的に安定持続圧で響きを起こすとよいと思います。
気持ち悪い圧痛が現れるコリが、 症状の根っことなる、いわゆる「虚のコリ」となっている場合もあります。 虚のコリへの安定持続圧は、 適圧で行なっても、強い瞑眩反応(好転反応)が起こることもあり、 患者さんは「やっぱりイタ気持ち悪いコリは押さないで!」となってしまうこともあるので、 治療反応について、十分な説明が大切です。
拒按と喜按という理論を治療に活かすためには、 正しい指圧と揉捏を習得することが何より大事ですね。
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